私は、現在アラフィフで、週に2回を目標に空手の稽古を続けております。所属しているのは新極真会でフルコンタクト空手(寸止めではなく実際にドツキ合う)です。
現在はまだ青帯ですが、いずれは黒帯(初段)になりたいと思って日々精進しております。
空手を行う人にとっての目標は初段(黒帯)であり、なかなか難しい道ですね。
ですが、初段を取得すれば一応、自他ともに認める空手家と言っても許されるような雰囲気に包まれています。
今回は極真の各先輩方の話や自分が経験したことを踏まえて、黒帯になるための道筋(何年かかるか)をレポート致しますね。
目次
何年くらいで取れそう?
真面目に稽古にもでて、実績もそれなりにつけて、一般部で5~7年くらいです。基本的にはそうだけど、なかなかうまくいかないんですよね。仕事や家庭の事情で稽古に行けなかったりしますし、審査にも出れなかったりもするでしょう。
また、ケガして稽古を休んだりとか・・・余程スケジューリングをうまくやらないと週2~3回の稽古参加は難しいです。
少年部の場合は、小学生で黒帯の子は見たことがないです。小学1年生から初めても6年生のうちに取れることはないでしょう。
高校生になってやっと取れるといった感じです。10年くらいは最低かかると思っておいてください。
それでは、どうしてそんなに年月がかかるのでしょうか?
極真では、初心者は白帯でどんどん階級が上がっていくにつれて、帯色が変わっていきます。
少しずつ黒帯に近づきます。こうして黒帯まで帯色を変えていくのですが、それぞれの色帯を巻ける様にする為に、毎回審査をクリアする必要があるのです。
そして、その審査は限られた時期にしか行われていないので、どうしても時間が掛かってしまうというのが、その理由なんですね。
極真(新極真会)の場合は級は帯色で道場生の習熟度の区別をしています。
帯の色と級段位
級段位 | 帯の色 |
---|---|
無級 | 白帯 |
10級 | オレンジ帯 |
9級 | オレンジ帯に1本線 |
8級 | 青帯 |
7級 | 青帯に1本線 |
6級 | 黄帯 |
5級 | 黄帯に1本線 |
4級 | 緑帯 |
3級 | 緑帯に1本線 |
2級 | 茶帯 |
1級 | 茶帯に1本線 |
初段 | 黒帯 |
初めて習うのであれば、無級から始まります。無級⇒10級⇒9級・・・へと級と帯が変わっていきますね。
帯色を変えるには審査を受けて昇級するしかない
各支部(だいたい県ごとに分かれている。広島支部とか福岡支部とかに)に分かれて審査会が行われます。首都近郊や大阪などの大きな都市では、東京城南支部とか大阪北支部とか大阪東支部などに分かれる)で年に数回審査会が行われます。
各支部の中に分支部というのがあり、道場が併設されております。広島で22か所の道場があります。その支部内道場の道場生が年に数回の審査会に出ます。
審査会費用:10,000円 年に3~4回あります。審査時にだいたい試合もあり、審査時に組手をするのですが試合も出場する方は組手は免除されます。
一口メモ:審査を受けれるのは、各道場の指導員が審査を受けても良いと判断した道場生だけです。
不真面目であんまり稽古に来ない道場生は、基本的には審査を受けさせてもらえません。
審査では何を審査するの?
- 筆記試験
- 基本稽古の審査
- 移動稽古の審査
- 型の審査
- 組手or試合の審査
筆記試験
基本的に空手の流派問わず、カラテの各流派には道場訓があります。日々の稽古で稽古が終わったら、道場生は道場訓を復唱します。なので知らず知らずのうちに道場訓を覚えます。筆記試験ではその道場訓を書く試験です。漢字もバッチリでないと後から、指導員の方に怒られますよ(笑)
一口メモ:満点をとれないと基本恥ずかしいです。ほぼみんな満点のはずです。
基本稽古の審査
基本稽古とは、各道場で行われている基本稽古のことで空手の基礎となります。三戦立ちと騎馬立ちなどから、突き、受けや蹴りを行ない、左右対称の軸運動を行います。これができていないともちろん試合では勝てません。
基本稽古できちんと突きや受けや蹴りができているかどうかの確認を行います。
一口メモ:帯が上がるほど、基本稽古の習熟度が増していて、足も上がるし、突きのキレもよいです。
少年部の子供は体が柔らかいので問題ないですが、我々おじさんは、体が硬いので足があんまり上がりません。
そんなとき、審査員の先生から『言い訳を言わない、何々だから。空手は武道なので年だからとか言い訳しないで、稽古を積んでください』と叱咤激励があります。
後から、聞いたのですが、私が先日受けた審査で、『柔軟』の項目はバツだったみたいです。でも何とか審査合格しました。柔軟も大切です!興味のある方はどうぞ!
空手で柔軟性は必須です!ストレッチのコツを中年空手家が紹介
移動稽古の審査
基本稽古で習得した突きや蹴りを前後移動しながら繰り出していく稽古を移動稽古と言います。審査では移動稽古で突き(パンチ)をしてその精度の審査を行います。
一口メモ:移動稽古も同じで、足が上がってないと、叱咤激励されます。
審査時の型の基準
審査対象 | 型 | |
---|---|---|
白帯 | 無級 | 太極1・太極2・太極3・足技太極1 |
オレンジ帯 | 10・9級 | 平安1・足技太極2・足技太極3 |
青帯 | 8・7級 | 平安Ⅱ・足技太極4・足技太極5 |
黄帯 | 6・5級 | 平安Ⅲ・安三 |
緑帯 | 4・3級 | 平安Ⅳ・平安Ⅴ・突きの型 |
茶帯 | 2・1級 | 三戦 ・ 最破 ・ 征遠鎮 ・ 臥龍 |
黒帯 | 初段~ | 天掌 ・ 観空 ・ 十八 ・ 撃砕大 ・ 撃砕小 ・ 五十四歩 |
型は最初は覚えるのは簡単なんですが、だんだん難しくなっていきます。審査は少年部(小学生1年~6年)と一般部(中学生以上)関係なく同時に行うので少年部の型の方がきれいで美しいです。
一口メモ:型は何が何でも覚えなくてはいけません。ここが一番重要で、型を覚えてないと最悪級が保留になります。お金を払ってるのに級が上がらないと悲しくなりますね。
この審査で型を覚えてなかったりしたら非常に恥ずかしいです。私は型が苦手でなかなか覚えられなくて合宿行ったときに型の稽古を行い最後に他の道場生の前で披露しました。
当時私はオレンジ帯で、私以外のオレンジ帯の少年部の子や一般部の子は覚えていたのですが、私は覚えてなくてメチャクチャ恥ずかしかった記憶があります。
基本の型の種類についての記事があります。興味のある方はどうぞ!
極真空手の型の種類と特徴。中年で始める型の覚え方は
型を覚えておかないと審査で恥ずかしいですし、審査受審を認めてくれた道場の指導員の方にもご迷惑をお掛けするので、キッチリ覚えないといけませんよね。
審査時の組手or試合
審査時に組手又は試合を行います。試合に出場しない道場生は組手を行います。
組手
試合に出ない道場生が行います。だいたい同じような背格好がで帯の色も同じような道場生同士が組手を行います。時間は1分です。結構本気での組手で試合のような感じで行います。
私は組手には出たことないけど前回の審査時に青帯で170㎝くらいの若者と180㎝くらいのオレンジ帯のおっさんが組手をやったのを見ました。
通常なら帯が上の青帯の若者の方が強いはずです。
実際は、青帯の若者はオレンジ帯のおっさんにボコボコにされてそのあと気まずかったらしいです。(オレンジ帯のおっさん談)
試合はクラスごとに分かれます
◆少年部(小学生1年~6年)
⇒試合時間1分30秒
◆中学生の部(中学生1年~3年)
⇒試合時間1分30秒
◆一般初級の部
(高校生以上34歳までで白帯、オレンジ帯、青帯の方)
⇒試合時間2分
◆一般上級の部
(高校生以上34歳まで、黄帯以上の方)
⇒試合時間2分
◆一般女子の部
(高校生以上の女性)
⇒試合時間2分
◆壮年部(35歳以上の方)
⇒試合時間1分30秒
⇒試合時間1分30秒
◆中学生の部(中学生1年~3年)
⇒試合時間1分30秒
◆一般初級の部
(高校生以上34歳までで白帯、オレンジ帯、青帯の方)
⇒試合時間2分
◆一般上級の部
(高校生以上34歳まで、黄帯以上の方)
⇒試合時間2分
◆一般女子の部
(高校生以上の女性)
⇒試合時間2分
◆壮年部(35歳以上の方)
⇒試合時間1分30秒
に分かれて試合を行います。
基本的には上記のように分かれますが、白帯で一般上級の部にでても、緑帯で一般初級にでることもあります。(各道場の指導員の方の判断になります)
試合ルールについて
勝敗は判定で行われます。【一本勝ち】は文句なしで勝ちで【技あり】というのもあります。
判定で両者が引分と判定された場合は【延長戦】があります。【反則】をすると、判定に影響されますから気を付けましょう。
詳細は、新極真会ホームページを参照ください。それぞれの支部の試合は基本的に試合規定に準拠しています。
試合については、非常に緊張します。私は、この歳になるとなかなか仕事や日常生活で緊張することなどほとんどないです。
この緊張感が人生で肥やしとなると思っております。
試合についての記事がありますから興味のある方はどうぞ!
空手の試合で緊張した時の解決策は?先輩直伝の5つの方法
審査以外でやらなければならないこととは
年に3回審査があるので、無級から審査を始めて11回審査を受ければ、黒帯(初段)になれます。ということは、通常であれば、毎回審査を受ければ、最短で4年で黒帯になれます。ところがそう簡単ではないんですね。緑帯、茶帯、黒帯になるために稽古とは別にやらなくてはならないことがあるんです。
審査・昇段受審条件
●初段以上の受審の場合:
⇒合宿に最低2回参加すること。
講習会にも最低2回参加すること。
●茶帯の受審:
⇒合宿に最低1回参加すること。
講習会にも最低1回参加すること。
●緑帯の受審:
⇒合宿に最低1回参加することor講習会にも最低1回参加すること。
※合宿は年に夏(7月)冬(1月)の2回あります。
※昇級・昇段講習会は春・秋の年2回行います。
⇒合宿に最低2回参加すること。
講習会にも最低2回参加すること。
●茶帯の受審:
⇒合宿に最低1回参加すること。
講習会にも最低1回参加すること。
●緑帯の受審:
⇒合宿に最低1回参加することor講習会にも最低1回参加すること。
※合宿は年に夏(7月)冬(1月)の2回あります。
※昇級・昇段講習会は春・秋の年2回行います。
なお、上記の審査・昇段受審条件は各支部によってかわるので注意が必要です。合宿に参加しないと審査が受けられないシステムなのです!
審査で飛び級
審査で通常1級づつしか、級が上がらないのに、飛び級で2級上がったりします。
このような道場生は、真面目に稽古を行い、試合も成績が良くて上位入賞する道場生が対象です。
このような道場生は各道場の指導員から先生(支部長)情報が入ります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
なかなかそう簡単なものではないですね。
他の流派で寸止め空手の4大流派などでは1年で取れたりすると先輩が言ってました。
とりあえずブラックベルト(黒帯)が欲しい方は他流派にすれば早くとれるでしょう。
空手の他流派の情報については、以下を参考にしてください。
空手流派の一覧とその特徴!あなたのお子さんにピッタリなのは?
極真空手の修行の道は、生涯の修行です。
道場訓の最後で吾々は生涯の修行を空手の道に通じ 極真の道を全うすることとあります。
極真空手の道へ入るのであれば、生涯を修行とする気概が必要です。
その中で鍛錬するうちに黒帯(初段)を通過するということでしょう。
心技体と言われますが、黒帯になってる方は、心がつよく、技術・技量もうまく、身体の能力が超越しております。
そのことを理解しつつ稽古に励まなければなりません。
皆さんも興味がある方は是非、お近くの道場へ見学に行ってみてください。今までとは違う世界がまってますよ!
押忍!!